新たな視点
8月、マイクロソフトのスティーブ・バルマー最高経営責任者（CEO）が12ヶ月以内に辞任すると発表しました。この発表は、マイクロソフトが世界最大級のテクノロジー企業であるだけでなく、バルマー氏がマイクロソフト史上2人しかいないCEOの一人であることから、直ちに世界的な波紋を呼びました。
マイクロソフト社の取締役会メンバーであるジョン・トンプソン氏は今月、同社は新CEO探しに近づいているが、最終的な決定は2014年初頭まで出さないだろうと述べていました。
バルマー氏の辞任は、マイクロソフト社に新たな意思決定者をもたらすだけでなく、同社が新たな視点で問題に取り組む機会を与えるものでもあります。1カ月前に退社を表明したバルマー氏は、他のテクノロジー企業との競争に打ち勝つため、同社の各部門を再編成。この動きは、マイクロソフトを「デバイスとサービス」の新時代に移行させるための前向きな第一歩でした。しかし、マイクロソフトによるノキア・デバイス＆サービスの買収が完了したことで、新CEOは2014年にマイクロソフトをさらに前進させることになりそうです。
必要な買収
マイクロソフト社は、2014年初頭にノキアのデバイスとサービス部門を買収する72億ドルの取引を正式に決定する見込み。これは、アップル、サムスン、グーグルのような携帯端末のハードウェアとソフトウェアの分野で直接競合するために、同社が取ったもう一つのステップです。
バルマー氏は今月、ZDNetとのインタビューで、マイクロソフトは「ノキアの携帯電話・サービス部門を買収した目的のひとつであるアップグレードと改善が必要だ」と述べました。
来年、より強力なライバルに対抗するために、マイクロソフト社は、ノキアのデバイスとサービス、そして約32,000人の従業員を同社の全体的な成長戦略にうまく統合する必要があります。また、マイクロソフトが国産デバイスの生産と販売でさらに前進するために取っている措置は、相手先商標製品メーカーやかつてのパートナーを引き続き不安にさせるかもしれませんが、それは2014年のマイクロソフト社の主要テーマとなるでしょう。
10月末時点で、アップルは米国のスマートフォンユーザー市場シェアの40.6％を占め、相手先商標製品メーカーの中で1位、2位はサムスンで25.4％、3位はグーグルのモトローラで6.9％でした。
米国のスマートフォンOS市場では、Androidが52.2%、iOSが40.6%、Windows Phoneは3.2%で4位。
公正を期すために、Windows Phoneはいくつかの国際市場でかなり好調です。10月末現在、英国で11.9％、フランスで12.5％の市場シェアを持っていました。そのため、来年以降、マイクロソフトは米国など最も有利なスマートフォン市場に注力する必要がありそうです。
2013年、Surface ProとSurface RTは販売記録を更新することなく、この夏、Microsoft Corp.は9億ドル相当のSurface RTタブレットの売れ残りを抱えています。9月に発売されたSurface 2とSurface Pro 2では、Microsoft Corp.は消費者にとってより魅力的なタブレットとなるよう改良を加えました。また最近、マイクロソフトはWindows RTのブランド戦略がユーザーを混乱させたことを認めており、同社は来年、このオペレーティング・システムからの撤退を検討する可能性があります。
この1年は決して楽なものではありませんでしたが、マイクロソフト社は2014年にさらなる変化と成長の可能性を見ています。新CEOが誕生し、デバイスやサービスがさらに充実する2014年は、マイクロソフトにとって完全に変革の年になるかもしれません。
