SUSEはこのたび、同社が開発したLinuxカーネルの実行中に動的にパッチを適用する技術「kGraft」を一般公開しました。他の技術とは異なり、kGraftはカーネルを短時間停止させる必要がないため、ITスタッフはシステムを停止させることなく、重要なセキュリティパッチやその他のパッチをインストールすることができます。
kGraftは、SUSE Labsの研究プロジェクトとして始まりましたが、すぐにエンタープライズユーザ向けのLinux用ダイナミックパッチツールへと進化しました」と、SUSE LabsのディレクターであるVojtěch Pavlíkは述べています。予期せぬパッチニーズに迅速かつ確実に対応し、多数のサーバをシャットダウンしたり再起動したりすることなく、企業顧客環境の安定性、コスト効率、セキュリティを向上させることができます。この技術は、ミッションクリティカルな環境の稼働時間を向上させます。
kGraftは、INT3/IPI-NMI自己変更エンコーディング、RCUのような更新メカニズム、mcountベースのNOP空間割り当て、標準的なカーネルモジュールのロード/リンクメカニズムなどの最新のLinux技術に基づいています。他のLinux技術を利用することで、kGraftは少量のコードしか実行する必要がありません。
SUSEは、Linuxコミュニティと協力しながら、kGraftをアップストリームで共有し、共通の標準的なカーネル動的パッチ・ソリューションを作成します。kGraftの詳細とコードのダウンロードについては、www.suse.com/kgraft。
