あるプロのセキュリティ研究者は、マルウェアの統計に基づき、Androidプラットフォームに基づくマルウェアは、デスクトップに比べて最大の脅威ではないと述べています。
というのも、モバイル・プラットフォームに対するマルウェアの脅威に対する印象とは正反対だったからです。ここ数年、モバイル領域におけるマルウェアの脅威が増大していることを詳述した専門的な調査文書が数多く発表されています。これらの調査文書によると、Android端末がハッカーに狙われるケースが増加しています。さらに、GoogleのAndroidプラットフォームが成長するにつれ、そのユーザを標的とするマルウェアの量も増加しています。
また、ソフォスは「2013 Security Threat Report(2013年セキュリティ脅威レポート)」の中で、Androidマルウェアが米国とオーストラリアで最大のモバイル脅威になっていると述べています。
米国国土安全保障省の関連部門であるpublicintelligence.netというサイトも、Androidユーザーの44%が2011年にリリースされたAndroidのGingerbreadシリーズとも呼ばれるAndroid 2.3.3から2.3.7のバージョンをまだ使用しているが、その後のバージョンで修正されているというレポートを発表しています。しかし、それらはすべてその後のバージョンのAndroidで修正されています。
私はマルウェア対策に携わって15年になりますが、脅威の状況にはさまざまな変化がありました。当初、マルウェアのデータベースは非常に小規模でした。デスクトップ・マルウェアに関しては、1つか2つの脅威を見てきましたが、劇的な成長を見てきました。そして、そのような脅威の中には世界中を席巻するものもありましたが、最終的には削除され、次の脅威が登場するための準備が整えられました。このような脅威は、大規模で分散し、ワイヤレスの亜種も存在するような脅威環境へと変化しています。ですから、今日のモバイル端末向けマルウェアの脅威は、デスクトップ端末向けマルウェアの脅威の大きさに比べれば、相対的に小さいと言えるでしょう。
しかし、Android 向けマルウェアの増加を軽視すべきではありません。サイバー犯罪者は、この技術を利用してマルウェア攻撃を行うでしょう。そして、この技術をユーザーにとってより安全なものにするために、あらゆる手を尽くすことが仕事です。ユーザが使用するモバイル・デバイスの多様化とモバイル空間におけるマルウェアの増加は、コンピュータ・セキュリティ・コミュニティによる綿密な監視と継続的な研究が必要な問題です。
もちろん、アンドロイドだけがモバイル・プラットフォームではありません。アンドロイドだけでなく、他のモバイル・テクノロジーにも目を向けることが重要です。