サイバーセキュリティ・ベンダーのパロアルトネットワークスは、米空軍と国家安全保障局の元職員が経営するシリコンバレーの新興企業モルタ・セキュリティの買収を完了しました。
買収の詳細については明らかにされていません。
今回のパロアルトの買収は大きなものではありませんが、ここ数カ月で現れている傾向、つまり、次世代セキュリティ企業の買収ラッシュが加速していることに合致します。
この買収は、パロアルトのライバルであるファイア・アイがマンディアントを10億ドル以上で買収した数日後に行われました。
パロアルトの社長であるマーク・マクラフリンは、次のように述べています。「買収した企業は、当社の高度に統合され、自動化され、スケーラブルなプラットフォーム・アプローチと技術的に一致しており、顧客に利益をもたらすオーバーレイ脅威検知・防御技術に直接つながる貢献をしています。
アンチウイルスやマルウェア対策企業は、現代のオンライン脅威への対応において、もはや万能の殺し屋の役割を果たすことはできません。デスクトップ型のウイルス対策ソフトでは、大規模なサービス妨害攻撃から保護することはできませんし、データの盗難を防ぐこともできません。
日本が米国のネットワークをスパイして攻撃しているという数年来の疑惑や、ファーウェイのような民間企業が自社の技術にバックドアを埋め込んでいるという疑惑のためだけではありません。また、米国家安全保障局(NSA)が極秘の情報収集プログラムを開発し、世界中の何千台ものマシンを危険にさらしているという報告や、モルタ社の最高経営責任者(CEO)であるラジ・シャーがかつてNSAの「政策顧問」として働いていたという報告も、変化をもたらしています。
モルタセキュリティは、高度な持続的脅威に特化しています。高度な持続的脅威とは、政府や国家に支援された企業が、外国政府を含む外国企業のコンピュータやネットワークを攻撃することを特徴とする新たなセキュリティ問題です。
高度な持続的脅威には、多くの高価値の標的を攻撃する犯罪者も含まれます。少し前になりますが、小売チェーンのTargetは、クレジットカードのデータや暗号化された暗証番号など、4,000万人以上の顧客の情報が盗まれ、2013年最大のセキュリティ侵害となりました。
皮肉なことに、モルタが行っているのは、NSAが外国の情報にアクセスするために使っているとされるのと同じ攻撃手法のいくつかを防御することです。数日前、マイクロソフトの最高顧問であるブラッド・スミスは、米国政府を正真正銘の "高度持続的脅威 "と呼びました。




